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ターゲット国のキーワード調査方法

「翻訳しただけのキーワードで海外ユーザーに届く」と思っていませんか?
実際には、日本語のキーワードを直訳しただけでは、現地ではまったく検索されていないというケースも珍しくありません。
たとえば、「スニーカー」は日本で一般的な表現ですが、アメリカでは「running shoes」「sneakers」「trainers」など、文脈や地域によって表現が異なります。
海外SEOにおいて成果を出すには、「現地で実際に検索されているキーワード」を使うことが不可欠です。
この記事では、ターゲット国ごとのキーワードをどのように調査すればよいか、基本から具体例までを解説します。
 

検索キーワードには国・地域ごとの“クセ”がある

海外では、同じ商品であっても以下のような違いがあることが多くあります。
  • 呼び方が異なる(例:「エコバッグ」→ reusable bag / tote bag)
  • 用途や関心が異なる(例:保湿クリーム → 夏より冬に検索が集中)
  • 文化的背景や価値観の違い(例:ギフト文化、サイズ展開、素材のこだわり)
つまり、日本でよく使われる検索キーワード=海外でも通用するとは限らないのです。

キーワード調査に使える代表的なツール

キーワード調査は、以下のようなツールや方法を活用して行うのが一般的です。
ツールによって取得できる情報の深さや種類が異なるため、目的に応じて使い分けましょう。
ツール/方法対応国特徴
Google キーワードプランナー全世界(Google広告経由)地域・言語を指定して検索ボリュームを確認可能。競合性や広告単価もチェックできる。Google広告アカウントが必要
Googleトレンド全世界時系列での検索ニーズの変化や、地域ごとの人気比較が可能。季節性や話題性を把握するのに適している
Ahrefs/SEMrush(有料)全世界(主要国)検索ボリュームや関連語、競合サイトが獲得しているキーワードの分析に強み。中上級者向け
Ubersuggest(無料機能制限あり)多言語対応初心者向けのUI設計。無料でも利用可能だが、検索回数や結果表示に制限あり。有料プラン(月額制)で機能拡張が可能
Amazonの検索サジェスト各国AmazonEC市場で使われるキーワードを把握するのに適している。特に商品カテゴリや購買意図を読み解く際に有効
SNSハッシュタグ検索(Instagram・X など)利用国に応じて実際のユーザーが使っている自然な言葉を把握できる。略語やスラング、ニッチなトレンド表現の発見にも有効

調査ステップ:例を交えて解説

ここでは、「アメリカ市場で日本の化粧品を販売する」場合を想定して、キーワード調査のステップを具体的にご紹介します。

ステップ1:ターゲット国と商品カテゴリを明確にする

まずは、「どの国で、どんな商品を売りたいか」を明確にします。
例)ターゲット国:アメリカ、商品カテゴリ:日本製スキンケア(保湿クリーム)

ステップ2:現地での呼び方・言い回しを調べる

Google翻訳で基本的な単語を確認したうえで、SNSやAmazonのレビューを活用してネイティブユーザーの実際の表現を調査します。
  • Instagramで「#moisturizer」「#japaneseskincare」などを検索
  • 英語圏の投稿を読み、「どんな言葉と一緒に使われているか」を確認

ステップ3:検索ボリュームや関連語を確認する

GoogleキーワードプランナーやUbersuggestを使って、以下を調査します。
  • 「moisturizer」「hydrating cream」「japanese face cream」などの月間検索数
  • 類語、共起語、検索の傾向
  • 検索の競合性(広告出稿の多さや上位サイトの強さ)

ステップ4:Googleトレンドで検索傾向を見る

地域や季節によって検索ボリュームは大きく変化します。
Googleトレンドで、検索されやすいタイミングを把握します。
例:
「hydrating cream」は冬に上昇、「oil-free moisturizer」は夏に増加傾向 など

ステップ5:自社商品に合うキーワードを絞り込む

調査したワードの中から、自社商品の特徴(成分・効果・価格帯)に合ったキーワードを選び、コンテンツや商品ページに反映させます。

補足:SNSでのハッシュタグ調査を活用するコツ

  • 国・言語ごとに使われる言葉は異なるため、現地語での検索が基本
  • トレンド性の高いテーマ(ファッション、美容、ガジェットなど)は特に効果的
  • 「#japaneseskincare」などで併用されている他のタグにも注目すると、思わぬ発見がある

まとめ

翻訳されたキーワードではなく、現地で実際に検索・言及されている言葉を使うことが、海外SEOでは非常に重要です。
キーワード調査は、検索ツールだけでなく、SNSやレビューなどユーザーの声を観察することも大切なヒントになります。
次回は、調査したキーワードをもとに、現地ユーザーに伝わる「多言語コンテンツの作り方」について解説していきます。