海外SEOに使用するドメインの選び方

海外SEOで使用されるドメインとは

海外向けのWebサイト(例:多言語サイト)で使用されるドメインは、以下の分類で区分することができます。
  • 国別コードトップレベルドメイン名(ccTLD)
  • ジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)
順番に解説します。

ccTLD

ccTLD(国別コード トップレベル ドメイン)とは、国内トップレベルドメインと言われ、各国に割り当てられた固有のドメインとなります。(例: .de はドイツ、.cn は中国)
検索ユーザーも検索エンジンも、ccTLDのサイトであれば特定の国をターゲットにしていることをすぐに認識できます。

gTLD

gTLD(ジェネリック トップレベル ドメイン)とは、特定の地域に関連付けられていないドメインです(.com や .org など下記に示すドメイン)。特定の地域に関連付けられていないので、検索エンジンにはターゲットとする国をhreflangタグなどを使用して、明示的に示す必要があります。
  • .com
  • .org
  • .edu
  • .gov
...他多数
 

海外SEOに使用するドメインの選び方

新しくサイトを立ち上げる場合は、上記を踏まえてccTLDかgTLDから選べばよいのでシンプルですが、すでにサイトを立ち上げている場合どうすべきなのでしょうか?
 
現サイトのドメインは以下
  • A:gTLD(.comなど)を使っている
  • B:ccTLD(.co.jpなど)を使っている
どちらでしょうか。
 
Aの場合、現行サイトにサブドメインもしくはサブディレクトリを組み合わせて使用し、属性を用いて言語バージョンを検索エンジンに伝えましょう。
Bの場合、現状ではccTLDの国以外ではSEOで不利になっています。不利を受け入れて使い続けるか、新たにドメインを取得することになります。
  • 日本語サイトのccTLDに言語にサブドメイン or サブディレクトリを組み合わせて使用する
  • 新規で海外サイト用のgTLDを取得し、サブドメイン or サブディレクトリを組み合わせて使用する
 
💡
ただし、GoogleはccTLDのSEO上の不利を今後は弱めていくことを検討しているようです。
時間の経過とともに ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)の重要性が低下する可能性があることに言及します。 たとえば、.ai(アンギラ)のような ccTLD が、ドメイン名の創造的な使用によりウェブサイトのターゲット国の信頼できる指標ではなくなっているからです。 ccTLD がそれぞれの国でわずかなランキング上昇をもたらす可能性はあるものの、この曖昧さにより、Google のアルゴリズムが ccTLD への依存度を下げているとゲイリーは明かしました。 https://search-off-the-record.libsyn.com/internationalization-hreflang
 

サブドメイン・サブディレクトリはどちらが良いか

SEO視点でサブドメインとサブディレクトリを見た際、両者に優劣はありません。Googleはどちらを選んでも検索結果順位にほぼ影響がないとしています。
 
一般的には、大元のドメインで配信しているコンテンツテーマと近い場合はサブディレクトリを使い、遠い場合はサブドメインを使うケースが多いです。しかし、それぞれにメリット・デメリットがあるので比較して決めると良いでしょう。

サブドメインのメリットデメリット

<メリット>
  • サブドメインの取得費用が不要
  • メインドメインの各言語版ページであることがわかりやすい
  • サブディレクトリよりメインドメインからの影響が少ない
  • サブドメインごとにサーバーを分けることができる
 
<デメリット>
  • サブドメインそれぞれにドメイン設定が必要
  • SSL証明書の発行費用が必要

サブディレクトリのメリットデメリット

<メリット>
  • メインドメインの配下に作成できるので手軽
  • メインドメインの各言語版ページであることがわかりやすい
  • メインドメインのドメインパワーを利用できる
  • ドメイン設定が不要
 
<デメリット>
  • サーバーを分けることができない

hreflang属性で言語バージョンを伝える方法

hreflang属性の書き方

言語ターゲティングを行うための属性の書き方は以下になります。
属性説明
relalternate で固定
hreflang「言語コード-国コード」もしくは「言語コード」を入力。 例:hreflang=”en-GB”であれば、英国のユーザー向けの、英語のコンテンツという意味。 例:中国語のような繁体字と簡体字のような複数の文字体系が存在する場合は、地域コードから適切な文字体系が取得されます。hreflang=”zh-TW”とすれば、自動的に繁体字中国語となります。
href各言語・地域向けページの絶対パスURL
サイト内に同じ内容のページの英語バージョンページと日本語バージョンページがある場合、次のように英語ページのURLと日本語ページのURL、デフォルトのURLの3つを記述します。
上記のコードは、href属性で指定したページ全てに埋め込む必要があります。つまり、https://example.com/en/ と https://example.com/ja/ の両方に上記3つのalternateタグを設置する必要があります。
 

hreflang=”x-default”の意味

ではというコードも記述します。これは、どの言語・地域にもマッチしなかったターゲットにどのページを表示するかを意味します。例えば、上記ページでイタリア語ユーザーが検索した場合、x-defaultで指定された英語ページ(https://example.com/en/)が表示されます。
 

hreflang属性で指定する言語コード

属性で指定する言語コードは「ISO639-1形式」で記述します。下記に代表的な言語のコードを記載します。
言語言語コード
英語en
中国語zh
フランス語fr
ドイツ語de
イタリア語it
日本語ja
韓国語ko
ポルトガル語pt
ロシア語ru
スペイン語es
 

hreflang属性で指定する国コード

地域コードは「ISO3166-1Alpha2形式」で記述して指定することができます。下記に代表的な国の地域コードを記載します。
国名地域コード
米国US
中国CN
日本JP
ドイツDE
英国GB
インドIN
フランスFR
イタリアIT
カナダCA
韓国KR